母が風邪をひいた

80歳になる母が正月早々に風邪を引いたとのこと。普段から血圧を下げる薬、足の痛み止め、便秘薬、皮膚のかゆみ止めを飲んで、薬だけでお腹がいっぱいになると言っている上に風邪薬も飲むことになった。

血圧を下げる薬は昨年から飲みはじめ、副作用のため味覚障害になって、以前は好きだったお刺身もお漬物も美味しいと感じられなくなっている。もともと低血圧の人なのに、年を重ねると高血圧になるのも私には不思議だが、味覚障害になってもその薬を飲まないといけないのかと思うと不思議な気がして仕方がない。

もともと好き嫌いが多く、お酒さえあれば食事は要らないと言って、大自然の不思議に出会うため、地球上のどこへでも、多くの人が行かないようなところへ旅をし、土地の食事よりもお酒を主食にして旅してきている。家でもそうしているのかもしれないが、数少ない食べられるものさえ美味しいと思えないのは不憫ではある。

父に対しても自分の立場をはっきり示してきた母である。この年齢になって医師である父の言うことをおとなしく聞いていることにも意味があるのかもしれないが、どうにも解せぬことである。

見舞いに行くよとも言えないくらい強気で一人暮らしを謳歌している様子を見せる母を前に、未だおろおろしながら、様子を伺うために何でもないようなメールをしている。いつかこんな日も思い出になってしまうのだろうという思いも持ちつつ。